筋肥大のために効果的なダンベルトレーニングの1週間のプログラムの組み方例を解説します。
ダンベルトレーニングの特性
ダンベルトレーニングは、フリーウエイトトレーニングの入門として自宅で行うこともできる方法です。複数の関節と筋肉を同時に動かす「複合関節運動|コンパウンド種目」しかない自重トレーニングに対し、単一の筋肉だけを集中的に鍛えられる「単関節運動|アイソレーション種目」が豊富なことが特徴です。
このように、ダンベルトレーニングは自重トレーニングから一歩進んだ自宅でのトレーニング方法として有効です。また、筋肉の稼動域が広いのもメリットで、ジムでのマシンやバーベルを使ったトレーニングの仕上げとしても最適です。
なお、ウエイトを片手で保持することから、同じフリーウエイトトレーニングのバーベルトレーニングに比べると高重量を扱えないというデメリットがあります。
厚生労働省によるレジスタンス運動に関する記載
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います。レジスタンス運動にはダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法があります。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html
筋トレ目的別の回数設定
トレーニングを実施する時に大切なことが「目的に合わせた重さと回数設定をすること」で、この設定が適切でないと思ったようなトレーニング効果が得られませんので注意してください。具体的には以下の通りです。
バルクアップ目的
バルクアップ(筋肥大)を目的としてトレーニングを行う場合は、筋肥大しやすい筋繊維タイプ2b(速筋繊維|白筋)をターゲットにします。このためには10回前後で反復限界がくる重めの重量設定で筋トレを実施します。
体力・身体作り目的
体力・身体作りを目的としてトレーニングを行う場合は、適度に筋肥大する筋繊維タイプ2a(速筋繊維|ピンク筋)をターゲットにします。このためには15回前後で反復限界がくる中間的な重量設定で筋トレを実施します。
ダイエット目的
ダイエットを目的としてトレーニングを行う場合は、あまり筋肥大しない筋繊維タイプ1(遅筋繊維|赤筋)をターゲットにします。このためには20回以上で反復限界がくる軽めの重量設定で筋トレを実施します。
厚生労働省による筋繊維に関する記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-026.html
部位分割トレーニング
筋トレを実施することによって筋繊維はダメージを受けます。そして、筋繊維は48時間~72時間の回復期間の後に、ダメージを受ける前より強く太くなって回復します。
これを超回復と言い、この超回復を反復していくことで筋肉を太く強くしていくのが筋トレの基本理論です。
このような筋肉の超回復期間を考慮した場合、効率的なトレーニングプログラムは、全身の筋肉をいくつかの部位に分け、それらを1週間をかけてローテーションで鍛えていく「部位分割法」です。
1週間3回の部位分割トレーニングが一般的
部位分割法には1週間に2・3・4回の分け方がありますが、なかでも3回に分ける部位分割プログラムがもっとも効率的と考えられています。
筋肉の部位分け
人体の主な筋肉部位の名称・作用と筋トレのやり方(名前と鍛え方)
全身の筋肉は、その協働関係から以下のように分けるのが一般的です。
①上半身の押す筋肉
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋
②上半身の引く筋肉
広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・上腕二頭筋
③体幹の筋肉
腹筋群・腸腰筋群
④下半身の筋肉
大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋群・内転筋群
1週間3回の部位分割のやり方
具体的には、以下のように全身の筋肉を3分割してトレーニングしていきます。
①週1回目のトレーニング
②週2回目のトレーニング
③週3回目のトレーニング
上半身の引く筋肉
厚生労働省による超回復とトレーニング頻度に関する記載
筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2-3日に一回程度、週あたり2-3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html
筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷でレジスタンス運動し、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、またレジスタンス運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html
週1回目のダンベルトレーニングメニュー例
①押す筋肉全体のメニュー:ダンベルプレス(インクラインダンベルプレス・デクラインダンベルプレス)を2~3セット
②大胸筋のメニュー:ダンベルフライ(インクラインダンベルフライ・デクラインダンベルフライ)を2~3セット
③三角筋のメニュー:ダンベルショルダープレス(ダンベルアップライトロー)を2~3セット
④上腕三頭筋のメニュー:ダンベルフレンチプレス(ダンベルキックバック)を2~3セット
⑤腹筋群のメニュー:ダンベルクランチ(ダンベルサイドベント)を1~2セット
⑥腸腰筋群のメニュー:ダンベルレッグレイズを1~2セット
週2回目のダンベルトレーニングメニュー例
①下半身全体のメニュー:ダンベルスクワットを2~3セット
②大腿四頭筋のメニュー:ダンベルレッグエクステンションを2~3セット
③ハムストリングスのメニュー:ダンベルフロントランジ(ダンベルレッグカール)を2~3セット
④内転筋群のメニュー:ダンベルワイドスクワット(ダンベルサイドランジ)を2~3セット
週3回目のダンベルトレーニングメニュー例
①引く筋肉全体のメニュー:ダンベルデッドリフトを2~3セット
②広背筋のメニュー:ダンベルローイング(ダンベルストレートアームプルオーバー)を2~3セット
③僧帽筋のメニュー:ダンベルショルダーシュラッグを2~3セット
④上腕二頭筋のメニュー:ダンベルカール(ダンベルハンマーカール・ダンベルコンセントレーションカール)を2~3セット
⑤脊柱起立筋のメニュー:バックエクステンションを2~3セット
その他の筋トレメニュー
その他の筋トレメニュー(方法別・部位別・頻度別・目的別)については下記ページのそれぞれの情報をご参照ください。
具体的なトレーニングプログラム例はこちら
トレーニングギア
トレーニングの効率上げるためには、適切なトレーニングギア(筋トレ用品)の選定と使用が大切です。下記の記事では基本的なトレーニングギアの種類や目的別の使い方・選び方を解説しています。
トレーニング効率を上げる筋トレ用品の種類一覧