腹筋群の筋トレメニューを自宅種目(自重・チューブ・ダンベル)とジム種目(マシン・バーベル)それぞれから、筋肉部位別に有効な種目に分類して解説します。
腹筋群の構造と作用
腹筋群の作用
腹筋群の部位わけ
各筋トレ方法の特性
自重トレーニングの特性
自重トレーニングはよく「ウエイトトレーニングではない」と誤解され、そのため「毎日実施してもよい」などと言われますが、正式には"Self Weight Training"、つまりセルフウエイトトレーニングと呼ばれる自身の体重を負荷ウエイトに使うウエイトトレーニングの一種です。このため、他のウエイトトレーニングに準じ、超回復理論にのっとりプログラムを組んでいく必要があります。
なお、自重トレーニングは筋力トレーニングに初めて取り組む方にとっては手軽で、トレーニング入門には適切な方法ですが、ダンベルやバーベルを使ったフリーウエイトトレーニングほどの高負荷トレーニングは不可能ですので、本格的に身体作りを行いたい場合は、やはりフリーウエイトトレーニングを習得・実施していく必要があります。
チューブトレーニングの特性
チューブトレーニングはゴムの持つ抵抗力と漸増負荷特性を利用したレジスタンストレーニングの1種です、複数の筋肉を同時に鍛えるコンパウンド種目だけでなく、単一の筋肉を集中的に鍛えられるアイソレーション種目が豊富なことが特徴です。
また、フリーウエイトトレーニングでは再現できない「上や前から引く動作」が可能なため、トレーニング種目数としてはあらゆるトレーニング方法のなかで最多です。さらに、ゴムは漸増負荷特性(引けば引くほど負荷が強まる性質)を持つため筋肉に効率的に負荷を加えられるというメリットもあります。
ダンベルトレーニングの特性
ダンベルトレーニングは、フリーウエイトトレーニングの入門として自宅で行うこともできる方法です。複数の関節と筋肉を同時に動かす「複合関節運動|コンパウンド種目」しかない自重トレーニングに対し、単一の筋肉だけを集中的に鍛えられる「単関節運動|アイソレーション種目」が豊富なことが特徴です。
このように、ダンベルトレーニングは自重トレーニングから一歩進んだ自宅でのトレーニング方法として有効です。また、筋肉の稼動域が広いのもメリットで、ジムでのマシンやバーベルを使ったトレーニングの仕上げとしても最適です。
なお、ウエイトを片手で保持することから、同じフリーウエイトトレーニングのバーベルトレーニングに比べると高重量を扱えないというデメリットがあります。
ジムマシントレーニングの特性
一般的なケースとして、自宅での自重トレーニング・ダンベルトレーニングを経験し、さらにレベルの高いトレーニングを目指してジムに通うようになった方が、最初に実施するのがマシントレーニングです。
マシントレーニングは動作起動がマシンによって支えられているため、初心者の方でも比較的簡単に高負荷トレーニングを実施できるのがメリットです。しかしながら、反面、動作起動のブレを止めるための体幹インナーマッスルが鍛えにくいというデメリットがあります。
ですので、最終的には高負荷かつ同時にインナーマッスルも強化できるバーベルトレーニングを中心に、補助的にマシントレーニングやダンベルトレーニングを行っていくのが、ジムにおける本格的な筋力トレーニングの在り方です。
バーベルトレーニングの特性
全てのウエイトトレーニングの基礎となり、また、もっとも効果の高い筋力トレーニングがバーベルトレーニングです。両手でウエイトを扱うため高重量が扱いやすく、動作起動が完全に自身で制御できるため個人の特性に合わせたトレーニングの実施が可能です。
反面、動作フォームなど技術の習得が必要となり、専門家の指導下で実施することが必要になります。
また、バーベルトレーニングのなかでも「BIG3」と呼ばれるバーベルベンチプレス・バーベルデッドリフト・バーベルスクワットは、この3種目だけ実施していっても十分に全身の筋肉が強化できるとされています。
厚生労働省によるレジスタンス運動に関する記載
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います。レジスタンス運動にはダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法があります。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html
筋トレ目的別の回数設定
トレーニングを実施する時に大切なことが「目的に合わせた重さと回数設定をすること」で、この設定が適切でないと思ったようなトレーニング効果が得られませんので注意してください。具体的には以下の通りです。
バルクアップ目的
バルクアップ(筋肥大)を目的としてトレーニングを行う場合は、筋肥大しやすい筋繊維タイプ2b(速筋繊維|白筋)をターゲットにします。このためには10回前後で反復限界がくる重めの重量設定で筋トレを実施します。
体力・身体作り目的
体力・身体作りを目的としてトレーニングを行う場合は、適度に筋肥大する筋繊維タイプ2a(速筋繊維|ピンク筋)をターゲットにします。このためには15回前後で反復限界がくる中間的な重量設定で筋トレを実施します。
ダイエット目的
ダイエットを目的としてトレーニングを行う場合は、あまり筋肥大しない筋繊維タイプ1(遅筋繊維|赤筋)をターゲットにします。このためには20回以上で反復限界がくる軽めの重量設定で筋トレを実施します。
厚生労働省による筋繊維に関する記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-026.html
筋肉の部位分け
人体の主な筋肉部位の名称・作用と筋トレのやり方(名前と鍛え方)
全身の筋肉は、その協働関係から以下のように分けるのが一般的です。
①上半身の押す筋肉
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋
②上半身の引く筋肉
広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・上腕二頭筋
③体幹の筋肉
腹筋群・腸腰筋群
④下半身の筋肉
大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋群・内転筋群
腹直筋上部に効果的な筋トレメニュー
クランチ系種目
腹直筋下部に効果的な筋トレメニュー
リバースクランチ
リバースクランチを実施する時に大切なポイントは、反動を使わずにゆっくりと動作を行うこと(腰への負担を避けるため)です。
レッグレイズ系種目
レッグレイズ系種目(チューブ・ダンベル・ケーブル)を実施する時に大切なポイントは、反動を使わずにゆっくりと動作を行うこと(腰への負担を避けるため)、足を床につけてしまわないこと(腹筋への負荷を高めるため)、などです。
腹斜筋に効果的な筋トレメニュー
サイドベント系種目
ダンベルサイドベント系種目(チューブ・ダンベル・ケーブル)を実施する時に大切なポイントは、大きな動作を心がけること(腹斜筋を最大伸展・最大収縮させるため)です。
その他の筋トレメニュー
その他の筋トレメニュー(方法別・部位別・頻度別・目的別)については下記ページのそれぞれの情報をご参照ください。
具体的なトレーニングプログラム例はこちら
トレーニングギア
トレーニングの効率上げるためには、適切なトレーニングギア(筋トレ用品)の選定と使用が大切です。下記の記事では基本的なトレーニングギアの種類や目的別の使い方・選び方を解説しています。
トレーニング効率を上げる筋トレ用品の種類一覧